Tweet
書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします |
【データ】
・作品名: ついておいでフロー!
・作者: 作/ジャーヴィス、訳/青山南
・出版社: BL出版
・発売年月: 2021年2月
・出版形態: 紙の本
・ページ数(作品部分): 32ページ
・サイズ: 縦26cm × 横29cm
・絵と文の比率: おおよそ 9:1 1ページ当たりの文字数は40字ほど
・対象年齢: 6歳~
・カタカナの有無: あり
・漢字の有無: あり
・ルビの有無: 総ルビ
・分かち書きの有無: あり
・縦書き、横書き: 横書き
【作者】
ジャーヴィスはマンチェスター在住の絵本作家、ウェブデザイナー。他に、『ハロウィンのかぼちゃをかざろう』『トロピカルテリー』がある。
【内容紹介】
なんでも思い通りにするのが大好きな、カモの女の子、フロー。いけないお菓子を食べたり、カエルを追いかけて水たまりに入ったり、寝る時間になると隠れたり。ある日、フローとお父さんは、ジェナおばさんのお家へ出かけることになる。フローは、お父さんの後を歌いながらついて行くが、途中で飽きてしまい、自分の歌をうたいながら、思い通りに進んでいってしまう。
【レビュー】
〈作品の主題〉
父親とはぐれたフローは、気にせず陽気にひとり、歌をうたいながら、遊園地を回るが、キツネに見つかり追いかけられてしまう。必死に逃げるフローだが、道順を歌った父の歌を思い出し、キツネから逃れ、父親と再会し解決する。親の知らぬ間に大切なことを学ぶ子どもと、教わったルールを守ることの大事さが描かれている。
〈ストーリー〉
気が散りやすく、ルールを守るのが嫌いなカモの女の子、フローが、歌をうたいながら自由に遊園地を回るようすは、とても楽しそうで、冒険的にルールを破る開放感が表現されている。
一方その後、フローは悪いキツネに襲われそうになるため、子どもたちへ、親のいうことを聞かないと危険な目に合うとの注意喚起がされている。大事なメッセージで道徳的であるが、陽気なシーンの連続で説教臭さはない。
ラストのジェットコースターを親子で乗るシーンは微笑ましく、読後感はいい。
〈絵と文〉
背景には、ハチやイモムシ、カエル、ひつじ、てんとう虫や蝶、カタツムリなど様々な生き物がカラフルに描かれている。草木や花も色鮮やかでかつ、散在していなく楽しんで読める。
文は大変読みやすく、決まりきったセリフ的なぎこちなさがない文体で、フローと父親の会話も自然なもの。歌をうたうシーンが多く、実際に声に出して読むとより魅力的な絵本になると思う。当然このような絵本は読み聞かせにも適している。
〈キャラクター〉
父と娘のカモの親子の物語だが、カルガモのオスは大抵の場合、子育てに参加しない。この物語では父親のみ登場するため、シングルファーザーを応援する物語とも読める。また、活発で自由に行動し、大きな声で歌をうたう子どもは男の子で描かれる場合が多いため、女の子のフローとカモの父親は、ステレオタイプを逆手に取った表現となる。
〈製本と出版〉
少し大きめサイズの絵本。文字は様々なフォント、大きさで書かれていて、漫画のようで楽しく読める。文字が背景の絵と重なる箇所があるが、読みづらい部分はない。
【評点】
【関連する絵本、コラム】
コラム『新小学1年生におすすめの絵本10選』
Tweet