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【データ】
・作品名: おちばのねどこでおやすみなさい
・作者: 文/カレン・ジェイムソン、絵/マルク・ブタヴァン、訳/石津ちひろ
・出版社: ほるぷ出版
・発売年月: 2021年9月
・出版形態: 紙の本
・ページ数(作品部分): 24ページ
・サイズ: 縦25cm × 横26cm
・読書時間: 大人がゆっくりと読んで 約15分
・対象年齢: 5歳~
・カタカナの有無: あり
・漢字の有無: なし
・ルビの有無: ー
・分かち書きの有無: あり
・縦書き、横書き: 横書き
【作者】
カレン・ジェイムソンはカリフォルニア州在住の絵本作家。他に『MOON BABIES』など。
マルク・ブタヴァンはパリ在住の絵本作家、イラストレーター。他に、『ポルカとオルタンスのだいぼうけん』『カバくんのおしり』などで知られる。
石津ちひろは愛媛県生まれの絵本作家、翻訳家。主な作品に、『マイロのスケッチブック』『パ・パ・パ・パパジャマ』がある。
【内容紹介】
大きな体が自慢のくまさんや、りっぱな角のへらじかさんが、どんなところで寝てるのか……。少女と飼い犬が森を探索しながら、出会う様々な動物たちの睡眠を想像する絵本。
【レビュー】
〈作品の主題〉
くま、こじか、うさぎなど、森に住む動物たちが、それぞれの眠る場所などの特徴を、詩的な文と温かみのある絵で描いた作品。森に住む動物たちに「おやすみなさい」のあいさつをしながら、読者を眠りに誘う、子守唄のような絵本。
〈ストーリー〉
少女はノートをとりながら動物たちを観察する。それぞれの愛らしい生き物には、彼ら独自の特別な睡眠に至る日常があり、少女は見かけた動物たちの寝ている姿を、子守唄のような詩とともに空想する。自宅に戻りその日の思い出を様々な絵として描き、完成させる展開はとても魅力的。
物語は美しい紅葉のシーンから、だんだんと雪が振り始め、雪が積もり、日が暮れていく。この絵本で描かれている移り変わりは、秋から冬への季節の変化とも読めるし、一日の出来事とも読める。少女の衣服に違いがないことから、一日と読むのが自然か。
〈絵と文〉
それぞれの動物たちの特徴を捉えた、リズミカルに読める優しい雰囲気の詩的な文は、子守唄を聴くように、くつろいで読める。読みやすくかつ芸術性がある。
少し寒そうにしながらも、様々な生き物が心地よさそうに、幸せそうに眠る様子を描いた絵は微笑ましい。絵も文も読んでいてまぶたが重くなるような温かい気持ちになる。
〈キャラクター〉
少女と飼い犬は森を散策しながら様々な動物と遭遇するが、シーンによって様々な表情、動作で描かれている。クマや大きな鹿には警戒しながら距離を取ったり、じっと潜んで対応する。可愛らしい小動物には温かい目線で見守るように観察する。
また、少女は寒いと手袋をしたりフードをかぶったりするが、興味深い生き物と出会うと手袋を外しノートを取る。小さな発見のある絵で楽しく読める。
〈製本と出版〉
文字が背景の絵と重なっているが、背景の色を薄く処理しているため、読みづらいと感じる箇所はない。
漢字なし、分かち書きで構成されている絵本。「おやすみなさい」や「ねむりましょう」の詩が繰り返されるこの絵本は、睡眠前の読み聞かせにも大変適しているだろう。
【評点】
【関連する絵本、リンク】
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