読むとおなかが減る歌って読める絵本『スパゲッティのうた』

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【データ】
・作品名: スパゲッティのうた
・作者: 作/ぺこみそ(はらぺこめがね×DJみそしるとMCごはん)
・出版社: あかね書房
・発売年月: 2021年9月
・出版形態: 紙の本
・ページ数(作品部分): 32ページ
・サイズ: 縦26.5cm × 横22cm
・絵と文の比率: おおよそ 9:1 1ページ当たりの文字数は20字ほど
・対象年齢: 5歳~
・カタカナの有無: あり
・漢字の有無: なし
・ルビの有無: ー
・分かち書きの有無: あり
・縦書き、横書き: 横書き
【作者】
はらぺこめがねは徳島県生まれの原田しんや、大阪府生まれの関かおりによるイラストユニット。主な作品に、『はらぺこサンタのクリスマス』『にくのくに』など。
DJみそしるとMCごはんは静岡県生まれのミュージシャン。他に『みよこ たまごのなかのひみつ』『となりのおやつ ザクのフレンチトースト』がある。

【内容紹介】
鍋で茹でられているのはスパゲッティ。お皿はフォークを握りしめて、変身するスパゲッティを待っている。お皿たちのもとへ、スパゲッティが、次々といい香りをただよわせてやってくる。
【レビュー】
〈作品の主題〉
歌のように読める文章の上に載っているものは、この絵本のために作られた、オリジナルの絵記号で、それに合わせてカラオケで歌うように読める絵本。『にがさない』の文の上には“ぎゅっと ちからをこめて”の絵記号が、『ねばねば ひっつく なっとう』の文の上には“ねばっこく”の絵記号が載っている。他にも“ズバッと”、“うねうねと”、“にげるように”など様々な工夫が凝らされていて楽しく読める。

〈ストーリー〉
夕焼け色のナポリタン、温泉のように浸されたアサリたっぷりのボンゴレ、ねばねば引っ付く納豆スパゲッティ、もぞもぞ動く真っ黒なイカスミ……。
語り手のぼくは、スパゲッティをちゅるちゅる吸い込み、スパゲッティとの真剣勝負の綱引きをする。
スパゲッティ屋を舞台に、スパゲッティのびんのふたを開け、スパゲッティを茹で、食べ終わるまでを描いた絵本。描かれてるスパゲッティは、とてもおいしそうで読むとおなかが減ってくる。

〈絵と文〉
描かれているスパゲッティのイラストは、艶が美しく温かそうで、香りが漂ってくるようなもので、とても魅力的に描かれている。
また、おいしそうなイラストが、楽しく擬音の多い文章で相乗効果のように更においしそうなスパゲッティに感じる。
〈キャラクター〉
お客さんは全員、顔がお皿というちょっと突飛な印象を受けるが、当たり前のように存在しているため、不思議だが納得できてしまう。スパゲッティを食べ終わったお皿の表情はとても満足気で、読んでてこちらも笑顔になってくる。

〈製本と出版〉
やや大きめサイズの絵本。文字のサイズも大きめ。イラストと文章が書かれている場所が上下に分かれており、読みやすい。

【評点】


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