絵本『ものがたりがうまれるとき』 - この本を読めば、作家になれる! -

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【データ】
・作品名: 『ものがたりがうまれるとき』
・作者: 文/デボラ・ホプキンソン、絵/ハドリー・フーパー、訳/せな あいこ
・出版社: 評論社
・発売年月: 2023年3月
・出版形態: 紙の本
・ページ数(作品部分): 29ページ
・サイズ: 縦23.5cm × 横23.5cm
・絵と文の比率: おおよそ 9:1 1ページ当たりの文字数は20字ほど
・対象年齢: 6歳~
・カタカナの有無: あり
・漢字の有無: あり
・ルビの有無: 部分的にルビ
・分かち書きの有無: あり
・縦書き、横書き: 横書き

【作者】
デボラ・ホプキンソンは、アメリカ生まれの作家。他に『だいすきな先生へ』『サリバン先生とヘレン』など。
ハドリー・フーパーは、アメリカのイラストレーター。
せな あいこは、東京生まれの訳者。主な作品に、『エリンとまっくろ岩のひみつ』『あの子はぼくらのスーパースター』など多数。

【内容紹介】
物語を書こう! なにかを生み出すのは、簡単なことではなくて、時に投げ出したくなるけれど、諦めないで、もう一度えんぴつを握る。世界でたった一つの『自分だけの物語』を書くために。なにかを生み出そうとする、すべての人をはげます絵本。

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【レビュー】
〈ストーリー〉
物語を作るには、アンテナを張って、いろいろなことに興味を持つことが大切だと伝えている絵本。さまざまな創作のヒントを教えてくれる感じで、物語を作るために、踏み出す第一歩を後押ししてくれる素敵な作品。

ほとんどのシーンで、物語を作る子を、飼い犬が見守っている。ありがちな表現だけど、語り手の孤独を救っているようで、温かい気持ちで読める。

〈絵と文〉
文章の言い回しが軽妙で、リズムもあって楽しく読める。作品内で物語を作る子の作風を表しているようにも読める。

絵は、素朴な感じが味わい深い。冬が舞台の物語で、青白い色合いが特徴的だけど、子の心情に合わせて導入と終わりが温かい雰囲気になっている。

〈キャラクター〉
珍しい、二人称形式の絵本で、物語は「きみ」と呼びかけながら進む。やさしく見守ってくれてるような描き方で、物語を作りたいと望む読者の支えとなるような絵本となっている。

挫折を描いているところもこの絵本の魅力で、創作する子は、途中、筆が進まず、心が折れかけてしまう。それでも、なかなか上手くいかないときは、クッキーをかじって一息つけば、視野が広がることを教えてくれている。

〈製本と出版〉
正方形の絵本。字が背景の絵と重なり、読みづらい箇所が一部にある。

【評点】



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