絵本『ぼくはいったいどこにいるんだ』 - 日常の発見と想像から始まる学び -

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 【データ】
・作品名: 『ぼくはいったいどこにいるんだ』
・作者: 作/ヨシタケ シンスケ
・出版社: ブロンズ新社
・発売年月: 2023年3月
・出版形態: 紙の本
・ページ数(作品部分): 32ページ
・サイズ: 縦26.5cm × 横21.5cm
・絵と文の比率: おおよそ 7:3 1ページ当たりの文字数は200字ほど
・対象年齢: 小学校1年~
・カタカナの有無: あり
・漢字の有無: なし
・ルビの有無: ―
・分かち書きの有無: あり
・縦書き、横書き: 横書き

【作者】
ヨシタケシンスケは、神奈川県生まれの絵本作家。他に『かみはこんなにくちゃくちゃだけど』『あきらがあけてあげるから』などで知られる。

【内容紹介】
お母さんが書いてくれた地図を持って、お使いにでかけた「ぼく」。地図があれば、今自分がどこにいるかが分かる。なにかの位置や仕組み、考え方を分かりやすく絵にしたものが地図だとしたら、たくさんの地図がありそうだ。いろんなことを地図にしてみると、分かることがたくさんある。おうちに帰ったら、地図を書いてみよう。
【レビュー】
〈ストーリー〉
ふとした日常の発見をきっかけにして、想像を働かせて始まる学びが描かれている絵本。
読んでてこの絵本の子のように、豊かな気持ちで、前向きに生きていきたいと思えるような作品で、また、温かみと、後押ししてくれるエネルギーがあるような素敵な物語となっている。

イラストの例え方が非常にうまくて、楽しみながら学べるような、自分を語り手に置き換えて読めるような魅力がある。

〈絵と文〉
絵は、柔らかいイラストで温かみがあって、登場人物の表情も豊かでやさしい気持ちで読める。
一つ気になったのは、地球を俯瞰して見た世界を描いているシーンで、そこには世界中の人々が様々な考え方のもと生活している様子が描かれているけど、肌の色が均一で、誰もが健常者なのは違和感があった。

〈キャラクター〉
語り手の子は、子どもっぽい語り口ではあるものの、説明的な文章も多く、大人が思う理想的で型にはまった子ども像といった感じの描き方で、ちょっと気になる。
ただ、この物語を成り立たせるためには、ある程度の説明だったり、流れに沿った描き方は必要だとも思う。

〈製本と出版〉
手書きの字が多く、物語の雰囲気に合ったものでもあるけど、ちょっと「ゆるさ」をねらった演出がやりすぎな感じもあって、また、読みづらい箇所もある。

【評点】


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