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【データ】
・作品名: どんないえにすみたい?
・作者: 文/ジョージ・メンドーサ、絵/ドリス・スーザン・スミス、訳/木坂涼
・出版社: 好学社
・発売年月: 2022年12月
・出版形態: 紙の本
・ページ数(作品部分): 35ページ
・サイズ: 縦28.5cm × 横22cm
・絵と文の比率: おおよそ 9:1 1ページ当たりの文字数は30字ほど
・対象年齢: 5歳~
・カタカナの有無: あり
・漢字の有無: なし
・ルビの有無: ー
・分かち書きの有無: あり
・縦書き、横書き: 横書き
【作者】
ジョージ・メンドーサは、詩人、小説家、児童書作家。
ドリス・スーザン・スミスは、児童書作家。
木坂涼は、詩人、絵本作家。他に、『かえりみち』。『コールテンくんのポケット』など多数。
【内容紹介】
ねずみのヘンリエッタは建築家で、お客様が望む以上の仕事をする。畑つきの家をお願いした、うさぎ。冬の間、閉じこもっていられる、まゆの家を作ってもらった、いもむし。朝から晩まで、太陽と一緒の家をお願いした、日向ぼっこが好きな、とかげ。様々な変わった家をツアーのように紹介する絵本。
【レビュー】
〈ストーリー〉
ねずみのヘンリエッタが設計した家は、擬人化された動物たちが過ごすため、実際に人が住むこともできるような機能性もある。換気扇やアンテナなんかも付いていて、見ているだけでワクワクするような、想像する楽しさがある。
家の特徴や生き物たちの過ごし方は、その生き物がその生き物らしく過ごせる環境、例えば、ねこの家はくつろげる縁側が四方にあったりする。
一方で、あまりその生き物とは関係なさそうな個性も両立されて描かれていて、「絵本らしい」動物的なあるあるだけで無いのが面白く読める。
また、もぐらの家は逆に地上だったりと、その動物の特徴を逆手に取ったユーモアもある。
それぞれの動物の家には必ず好物の食べ物が描かれていて、イモムシの家では屋根裏で植物にライトを当てて育てていたり、くまの家には養蜂場が備えられていたりと、随所に絵を楽しむ(読み解く)魅力がある。
「みなさんは どんな いえに すみたい?」というタイトルと同じ問いかけで終わるラストは、想像の楽しさが刺激される感じで、読み聞かせだったら、保護者と子の間で会話が盛り上がるような終わりに思った。
〈絵と文〉
絵は、動物の特徴を捉えていながら、ユーモアもある親しみやすい絵が大変よく、建設途中の様子が描かれているのもまた魅力的。
文章は、優しい語り口で読みやすい。様々に小さな発見が描かれたイラストを、野暮に説明したりなんかはせずに、簡易な表現で支えている。
〈キャラクター〉
設計室の様子も描かれていて、設計しているヘンリエッタのそばには、ボツ案になって捨てられた紙が辺りに散らばっており、設計するのに様々な努力や工夫が用いられていることが描かれている。安易に才能を描くのではなく、ヘンリエッタの天才的な作業にも苦労があることが表現されているのは、読んでてちょっと励みになるというか、一所懸命になることの大切さを教わるような気持ちになる。
〈製本と出版〉
本の大きさはふつう。文字の大きさは少し小さめだが、全てのページで文字の背景の色が白く加工されているため大変読みやすい。
【評点】
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