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【データ】
・作品名: ディアガール おんなのこたちへ
・作者: 文/エイミー・クラウス・ローゼンタール、パリス・ローゼンタール、絵/ホリー・ハタム、訳/高橋久美子
・出版社: 主婦の友社
・発売年月: 2019年2月
・出版形態: 紙の本
・ページ数(作品部分): 40ページ
・サイズ: 縦20cm × 横21cm
・絵と文の比率: おおよそ 9:1 1ページ当たりの文字数は20字ほど
・対象年齢: 5歳~
・カタカナの有無: あり
・漢字の有無: なし
・ルビの有無: ー
・分かち書きの有無: あり
・縦書き、横書き: 横書き
【作者】
エイミー・クラウス・ローゼンタールは、作家、イラストレーター。他に『アヒルかも!ウサギかも!』など。
パリス・ローゼンタールは、エイミー・クラウス・ローゼンタールの娘。
ホリー・ハタムは、カナダ在住のイラストレーター、グラフィックデザイナー。
【内容紹介】
「おんなのこたちへ。なきたいときは ないてもいいんだよ」「おんなのこたちへ。わかりあえる なかまを みつけよう」……。いつでもだれでも、自由に生きていいと伝える、女の子たちを応援するメッセージ絵本。
【レビュー】
〈作品の主題〉
後に出版された『ディアボーイ おとこのこたちへ』と対になる絵本。
すべての女の子たちへ語りかけるように、やさしく寄り添う言葉を伝える絵本。固定観念を打ち破る表現も多く、また手を差し伸べるように温かい表現もある。
〈ストーリー〉
ストーリーのある絵本というよりかは、人生訓のように女の子たちへメッセージを伝えている。実践的なものもあり、特によかったのは、
「あなたの こころに あかしんごうが ついたら いや! と、いいなさい ね、ぜったいに」という表現で、基本的に温かく寄り添う言葉が多いものの、ときおり強いフレーズで明確に伝える描写がとても心に残る。
一方で、鏡を見ながら、「ありがとう そばかすちゃん!」や、「ありがとう ほくろちゃん!」などと自分のコンプレックスになる部分に呼びかける描写は、あまり読んでて気持ちのいいものではない。ちょっとやりすぎというか、理想的すぎる。そんな簡単に前向きになれない。
〈絵と文〉
絵はシンプルで分かりやすい。表情も必要最小限だが、多くの読者が自分にあてはめられるように描かれていると思う。
文は明瞭な内容で簡潔に書かれている。やさしくかつ、力強い言葉は生活の節目などで繰り返し読んで助けになるはず。ただ「おんなのこたちへ」が繰り返される文章に少し説教臭く感じることもある。
〈キャラクター〉
タイトルと作中で繰り返される「おんなのこたちへ」という言葉だが、「おんなのこへ」の方がよかったのではないかと思う。なぜなら、描かれているキャラクターの女の子は、常に同一人物で描かれ、一貫して一人の「あなた」へ向けた手紙のようにメッセージを伝えている形式の絵本であるためだ。個人として読者へ呼びかける「おんなのこへ」が相応しいと感じた。
〈製本と出版〉
本の大きさは小さめ。文字の大きさはふつう。背景の絵と重なり読みづらい箇所が一部ある。
【評点】
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