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【データ】
・作品名: ディアボーイ おとこのこたちへ
・作者: 文/パリス・ローゼンタール、ジェイソン・ローゼンタール、絵/ホリー・ハタム、訳/高橋久美子
・出版社: 主婦の友社
・発売年月: 2021年7月
・出版形態: 紙の本
・ページ数(作品部分): 40ページ
・サイズ: 縦20cm × 横21cm
・絵と文の比率: おおよそ 9:1 1ページ当たりの文字数は20字ほど
・対象年齢: 5歳~
・カタカナの有無: あり
・漢字の有無: なし
・ルビの有無: ー
・分かち書きの有無: あり
・縦書き、横書き: 横書き
【作者】
パリス・ローゼンタールは絵本作家。他に『ディアガール おんなのこたちへ』がある。
ジェイソン・ローゼンタールは弁護士、執筆家。パリス・ローゼンタールの父。
ホリー・ハタムは、カナダ在住のイラストレーター、グラフィックデザイナー。
高橋久美子は、愛媛県生まれの作家、作詞家。主な作品に『にんぎょのルーシー 』『あなたがいてくれたから』がある。
【内容紹介】
「おとこのこたちへ。しらないことがあってもこわくないって、しってた?」「なきたいときもあるよね?そんなときはがまんしないで、ないてもいいんだよ」……。固定観念を変え、自由で開放的なメッセージを伝える、男の子たちを応援する絵本。
【レビュー】
〈作品の主題〉
先に出版された『ディアガール おんなのこたちへ』と対になる絵本。
描かれている内容は、どちらも女の子らしく、男の子らしくといった既存の価値観を打ち破り、読者に自由な考えを伝えるものだ。
もし子どもへプレゼントするならば、(男の子であるなら特に)二つの作品を渡すと、読者はよりよい読書体験と影響が得られるはず。
〈ストーリー〉
ストーリーのある絵本というよりかは、人生訓のように男の子たちへメッセージを伝えている。起伏に富んだ展開や、笑顔になれたり、驚くページのようなものはないが、繰り返し読むことに値する心優しい絵本。
〈絵と文〉
絵はシンプルで分かりやすい。男の子の視点が一定で読者が主人公と一体化できるように工夫されて描かれている。
文は明瞭な内容で簡潔に書かれている。男の子に向けて書かれる多くの提案は、具体的で実践的。ただあまりユーモアがなく「おとこのこたちへ」が繰り返される文章に少し押しつけがましく感じることもある。
〈キャラクター〉
タイトルと作中で繰り返される「おとこのこたちへ」という言葉だが、「おとこのこへ」の方がよかったのではないかと思う。なぜなら、描かれているキャラクターの男の子は、常に同一人物で描かれ、一貫して一人の「あなた」へ向けた手紙のようにメッセージを伝えている形式の絵本であるためだ。個人として読者へ呼びかける「おとこのこへ」が相応しいと感じた。
〈製本と出版〉
本の大きさは小さめ。文字の大きさはふつう。背景の絵と重なる箇所があるが、読みづらい箇所はない。
【評点】
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