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【データ】
・作品名: あなたがいてくれたから
・作者: 文/コビ・ヤマダ、絵/ナタリー・ラッセル、訳/高橋久美子
・出版社: パイインターナショナル
・発売年月: 2020年7月
・出版形態: 紙の本
・ページ数(作品部分): 31ページ
・サイズ: 縦20cm × 横16cm
・絵と文の比率: おおよそ 9:1 1ページ当たりの文字数は30字ほど
・対象年齢: 小学校1年~
・カタカナの有無: あり
・漢字の有無: あり
・ルビの有無: 総ルビ
・分かち書きの有無: あり
・縦書き、横書き: 横書き
【作者】
コビ・ヤマダは、コンペンディウムCEO。他に『アイデアたまごのそだてかた』『もしかしたら』などで知られる。
ナタリー・ラッセルはイラストレーター、作家。主な作品に『きみにあいにきたよ』『つきのよるのおやくそく』など。
【内容紹介】
一緒に笑い、泣き、励ましてくれたあなたがいなければ、きっと今の私はいなかったでしょう。今の自分にしてくれた家族、お世話になった先生、仲間、すべての人に、感謝を伝える絵本。
【レビュー】
〈作品の主題〉
親子や、教師と生徒と思われるふたりのクマの絵本。表題の「あなたがいてくれたから」が繰り返し用いられながら小さなクマが大きなクマに感謝する。
プレゼントに適している作品。この絵本を受け取り不快な気持ちになる人は少ないだろう。教師や先輩などに媚びへつらうには最適だ。
〈ストーリー〉
ふたりのクマの物語。小さなクマは大きなクマに対し「あなたがいてくれたから」、考え、苦手なことがあっても大丈夫だと思えて、進むべき道はひとつでないと知り、失敗は成功のもと思えるようになったと語る。どの言葉も非常にありがちで特に真新しさはない。
繰り返し表現を用いる絵本は多く、絵本の基本でもあるが、この作品では飽きるほどに「あなたがいてくれたから」が繰り返される。この手の“やさしい絵本”が受けるのは分かるが、過去に出版された多くの類似した作品を上回る魅力はない。
〈絵と文〉
子どもが描いたように意図的に揺れて書かれた線や、ラクガキ風に雑に塗られた色が鼻につく。作品の安易な思惑がにじみ出ているようであまり魅力的には思えなかった。
文章はシンプルだがイラストと調和していて、絵を見ながら想像する楽しさがある。
〈キャラクター〉
とにかく“わかりやすい”絵本でキャラクターもまた単純。ちょっと不器用に描かれた子どものクマが大きなクマの助けを借りたり、小さなクマの挑戦を大きなクマが優しく見守ったりするシーンが続く。あまりひねりがない展開だが、ある種の安心感はある。
〈製本と出版〉
本のサイズは小さめ。基本的には小学校1年生以下の読者のために用いられる、分かち書きが行われているが、使われている漢字は難しい字も多い。おそらく絵本らしさを出すための一つの演出のために、ひらがなを多く用いているためと思われる。当サイトでの対象年齢は小学校1年~とした。
【評点】
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