『わたしは反対! 』 - ルース・ベイダー・ギンズバーグの伝記絵本 -

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【データ】
・作品名: わたしは反対! 社会をかえたアメリカ最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ 
・作者: 文/デビー・リヴィ、絵/エリザベス・バドリー、訳/さくまゆみこ
・出版社: 子どもの未来社
・発売年月: 2022年11月
・出版形態: 紙の本
・ページ数(作品部分): 34ページ
・サイズ: 28縦cm × 横21.5cm
・絵と文の比率: おおよそ 6:4 1ページ当たりの文字数は200字ほど
・対象年齢: 小学校5年~
・カタカナの有無: あり
・漢字の有無: あり
・ルビの有無: 部分的にルビ
・分かち書きの有無: なし
・縦書き、横書き: 横書き

【作者】
デビー・リヴィは、メリーランド州在住の作家。元弁護士、元新聞編集者。
エリザベス・バドリーは、イラストレーター、絵本作家。
さくまゆみこは、東京都出身の編集者、翻訳家。主な作品に『わたしとあなたのものがたり』『子どもの本で平和をつくる』など多数。

【内容紹介】
アメリカ最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)は、差別されている人たちを一貫して支え、納得できないことに反対の声をあげつづけ、社会を変えていった…。RBGを幼少期から活き活きと描いた伝記絵本。 
【レビュー】
〈ストーリー〉
ルースの子供時代から丁寧に描かれた絵本で、当時の経験が生涯に影響を与えることが描かれているため、若い読者ならその力強さに憧れたり、自身の今の思いが大切な未来につながると思えるかもしれない。

伝記絵本で物語的な展開の妙といった魅力はあまりないけど、子供時代から問題に声を上げ平等を求めたRBGの生涯は、読んでてワクワクする楽しさがある。

“反対”という言葉がキーワードで、ルースの反対だけでなく、人々の「反対」も描かれている。それらは、女性が法律家になることを反対したり、母親が仕事をするべきではないといった性差別で、反対意見に反対すること、声を上げることの大事さが描かれている。

ときおりSNSなんかで、やたらと反対や批判を毛嫌いする人を見かけるが、シニカルな態度で現状を追認し続けるのではなく、間違っていることには堂々と反対することの必要性が描かれている。
女性はもちろん様々な差別的な環境に抑圧されたマイノリティに勇気を与える価値ある絵本。
〈絵と文〉
絵は、堂々と自分の主張をする女性たちが力強く描かれていて、前を向き平等を訴えるルースの姿は美しくかっこいい。

文章でひとつ気になったのは、ルースが子供の頃、ペンシルベニアのホテルの立て札に、「犬とユダヤ人はおことわり」と書かれていたのを見かけたというエピソードがある。ほかにも、「黒人おことわり」と書かれた立て札が描かれている。
それらに対して、「かたよった見方にもとづいた言葉」と地の文で書かれているが、偏見というより差別と明確に書くべきに感じた。

〈キャラクター〉
場面や時代が移り変わるが、ルースはほとんどのシーンで青い服を着ているため、誰がルースか分かりやすい。さりげない配慮が絵本の読みやすさにつながっている。

〈製本と出版〉
ふりがななしの漢字も多く、内容や使われている用語もそれなりに難しいため対象年齢は高め。当サイトでは、小学5年生~とした。
翻訳絵本だけど特徴的なフォントも違和感なく日本語に置き換えられていて楽しく読める。

【評点】


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