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・作品名: ヤングさんのオーケストラ
・作者: 作/なかえよしを、絵/小池敏彦
・出版社: ポプラ社
・発売年月: 2022年4月
・出版形態: 紙の本
・ページ数(作品部分): 32ページ
・サイズ: 縦23cm × 横18.5cm
・絵と文の比率: おおよそ 8:2 1ページ当たりの文字数は50字ほど
・対象年齢: 5歳~
・カタカナの有無: あり
・漢字の有無: なし
・ルビの有無: ー
・分かち書きの有無: あり
・縦書き、横書き: 横書き
【作者】
なかえよしをは、神戸市生まれの絵本作家。他に、『ねこのジョン』『ことりとねこのものがたり』などで知られる。
小池敏彦は、日本のイラストレーター。
【内容紹介】
ヤングさんは有名なオーケストラの指揮者。音楽会は、いつもお客さんでいっぱいだ。そんなヤングさんが、コンサートのあと、新聞記者に尋ねられた。
「先生は、どうして指揮者になられたのですか?」この質問をきっかけにヤングさんは、幼いころ、公園にいたおばあさんに音楽がどんなに素晴らしいものかを教わったこと、そして大人になったら立派な音楽家になりおばあさんに聞かせてあげると約束していたことを思い出す。
【レビュー】
〈作品の主題〉
何十年も前の約束を果たそうと、ヤングさんはおばあさんの身元を懸命に探す。
おばあさんが入院していると聞いたヤングさんは、病院の前の公園にオーケストラを呼び演奏をし、おばあさんとの約束を果たした。
生きていく上での必要な謙虚な気持ちと感謝の大切さを伝えている絵本。
〈ストーリー〉
ストーリーは新聞記者に指揮者になったきっかけを聞かれて、経緯を思い出すことで始まる。何かを実現したあとは意外とその始まりを忘れてしまうことがあるだろうが、この絵本では過去の記憶を探ることで、人生が移り変わっていった様子と、当時の心を取り戻す様子が描かれている。
ヤングさんはおばあさんの行方を懸命に探す。警察や探偵に頼むが見つからず途方に暮れていたところ、突然電話が鳴り病院にいると教えてもらう。ちょっと都合のいい展開で、物語に起伏が感じられない。
〈絵と文〉
絵はノスタルジックな雰囲気があるイラストで、背景の小物や登場人物たちの衣装も時代を感じる趣がある。
文章はシンプルで読みやすいが、あまり面白みがなくちょっと退屈な印象を受ける。
〈キャラクター〉
偉そうな指揮者が過去の出来事を思い出し、謙虚な気持ちを取り戻すといった物語だが、おばあさんと再会する際、オーケストラを呼び寄せてしまう辺りに指揮者の思い上がりのようなものを感じてしまった。
〈製本と出版〉
小型の絵本。文字のサイズは大きく、全体的に読みやすい。
【評点】
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